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【第5章 11日目・9/21火】
24.あやしい整備工場
思いがけず容易に知ることのできた、車の受け取り場所。
慎重に調査を開始する。
(シンイチ談)
JRで池袋まで行き、準急で15分程度の駅に降りる。こざっぱりとしているが殺風景な駅だ。現場は駅からあるいて5分程度のところにある。
たしかにその住所は存在していた。しかし、その住所には30世帯ほどもある団地がそびえたっている。「naniwa999」こと、ミゾグチ氏の住所が特定できない。
しかたなく1戸1戸、全部の表札を見て回ることにした。いつもは高いヒールを履いているサヤカが今日はスニーカーできびきびと動く。
「ミゾグチ」という名前の表札は見つからない。もちろん「naniwa999」に関連しそうな名前もない。団地の駐車場も見回してみる。だが国産車Zらしき車は置いていない。
住所に関してはほかに手がかりがない。
とはいえ、埼玉県まで足をのばしてここまでやってきたのだ。あきらめるには、まだ早い。
そこで、団地の半径2キロ四方一帯を、くまなくつぶして車を探しすことにした。
民家の駐車場をのぞく。民家の住人と私が話ししている間に、サヤカが駐車場を探る。
しかし、車は見つからない。そうしているうちに通りのはずれまで来てしまった。
通りの外れには、あやしげな自動車整備工場がある。肉眼で判別できる大きなキズのある車が、外から眺められるだけで20台ほどある。灰緑色の草がぼうぼうと茂る周囲の空き地にも、十数台が放置されている。その乱雑な置きかたからしても、おそらくほとんど全てが事故車に違いない。
ひと気がないことを確認し、シャッターが開けっ放しの建物へと足を踏み入れる。しかし国産車Zは見あたらない。いっそ自動車整備工場の人を探してきて、「国産車Zが持ち込まれなかったか」を聞こうとも考えた。
しかし、その自動車整備工場が窃盗犯のアジトで、組織ぐるみということも考えられる。その場合には、逆に隠されてしまう可能性がある。身の危険に備えもない。
このあやしい自動車整備工場を深く詮索するのはやめておく。
こうしてさんざん朝霞の受け取り場所近辺を捜索したが、結局車は見つからなかった。
「そろそろ、駅のほうに戻ろうか。」
なんとも残念な気持ちで、サヤカと駅方面に向かって歩きだす。何も情報を得ることなく、来た道を戻るのだから足取りも重い。
駅近くの商店街にはたくさんの店がにぎやかに並んでいる。その中の居酒屋に入ることにした。カウンターの中ではおでんが湯気を立て、かたわらでは割烹着のおやじさんがネギマとアスパラを焼いている。
ふたりともビールを注文する。焼き豆腐をつつきながらさっそく今後の方針について話をする。
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