|
|
【第7章 16日目・9/26日】
27.警察、不介入
受け渡し当日の朝。サヤカが警察に電話をかけたところ…。
(サヤカ談)
もう朝か…
今日は受け渡し日だ。緊張してよく眠れまいまま朝を迎えた。
シンイチの家へ行く前に、警察へ電話を入れる。
「先日話したオークション車、今日取引が行われるんです。車を運んでくる陸送外車をたどれば犯人を捕まえることができると思うんですが、現場にきていただけませんか?」
すると、神奈川南署の職員は言った。
「そういわれても、なにもできないよ。」
証拠がないと動けない、証拠を自分たちで見つけるまではダメだという話だ。
「そうですか。わかりました。じゃぁ車が見つかった時はどうしたらいいですか?」
すると、さやかの質問に南署の担当職員は、
「その場所が練馬区なら、谷原警察に来てもらってよ」
という。「のれんに腕押し」「ぬかに釘」とはこういうことを言うのだな、と思う。しかたなく谷原警察のほうにも連絡を入れる。
すると、今度は、
「谷原警察の管轄は警視庁、あなたの盗難事件は神奈川県警の管轄だから、自分たちは動けない」
という。
動くのであれば神奈川県警のほうから要請がないとダメだというのだ。
再度、神奈川南署に電話をかけて、「谷原警察に要請を出してほしい」旨を伝える。
しかし、なにが理由なのかはっきりとしないが、神奈川南署が谷原署に要請を出しくれない。
「とりあえず見つかったら谷原警察に通報してよ」
などと言われる始末だ。あきれたものだ。
さらに、ふただび谷原警察に電話をかけて、「神奈川南署からこう言われたので、見つかったら対応してほしい」旨を伝える。
すると、
「じゃあ、そういう状況になったら連絡ください」
渋々答える担当者。反応なんてもうどうでもよい。とりあえず、「そういう状況」になった場合の連絡先を聞いておく。
「谷原警察の私か、盗難の担当宛に連絡ください」
と続けて答える。
しかし、これまでの経緯を考えると、谷原警察に電話をかけたところで取り次いでもらうのにさえ非常に時間がかかるだろう。
こちらは緊急の状況なのだ。陸送会社がグルかもしれない。それこそもしかしたら犯人かもしれない人間とやりとりをするのだ。
神奈川南署も谷原警察署も、普通に連絡を入れたら絶対に失敗する。
そこで、とにかく何かあったら、谷原警察署でも神奈川南署でもなく、「110番通報」をすることにした。これならかなり高い可能性で来てくれる。
| |
|
|
|