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【第7章 16日目・9/26日】
34.戦いの始末
取り調べが始まった。陸送会社は「ミゾグチ」の仲間なのか。
(シンイチ談)
午後5時。
暗号を出してからほぼ3分後に警察官が到着した。「超」高速だ。
それも三人も。
これほどすぐ来てくれたのはなぜか。
あとで聞いたことだが、ヒロミは電話で
「今、車がとられそうなんです、色白の太った人に。すぐに来て下さい」
と連絡したそうだ。
まったく、急いでいるときは110番に限る。一方のサヤカが電話していた谷原警察署は、15分以上経って、ようやく到着したという始末だ。
しかも、担当者につないでもらえるまで2分、担当者に経緯を話すのに3分かかっているという。
さて、いよいよ本格的に話が進むことになった。サヤカの自動車、国産車Zを取り囲んで経緯を説明する。
次に、陸送会社の人に話を聞く。陸送会社の人は「ミゾグチ」氏とは全然関係がないようだ。
1年前、自動車のオークション会場で一度声をかけられ名刺を交換した。それから数カ月経った、つい昨日、突然「ミゾグチ」氏から電話がかかってきた。そして「明日、自動車の配送を頼みたい」といってきたという。
これまで、この陸送の二人は、配送のほかに金銭の受け取りまではやったことがなかった。だから、「自動車を渡して金をもらって来い」とミゾグチに言われたときには違和感を感じたらしい。「おかしいとは思ったが、まさかそういう話だったとは思わなかった」という。
話してみてわかったことだが、陸送の二人は実はいいやつらだった。運送費用(2万円だったらしい。)が入ってこないことについては何も言わない。
それよりも、愛車が手元に戻ってきてよかったと喜んでくれる。「オークションで見つけて自分で落札して、取り戻すなんてことがあるんだ」と、驚いてもいる。 「次の仕事があるので帰る」という陸送会社の二人には、ひとつだけ困ることがあった。それは、「ミゾグチ」に連絡を取り、金を渡さなければならないことだ。
これは、警察にとって「ミゾグチ」たちを捕まえられる大きなチャンスだ。金を受け取りに来るのは「ミゾグチ」本人のはずだから、話を聞くことができるだろう。
そこで、谷原警察の警察官から神奈川南署に連絡をしてもらう。(なぜ、谷原の警察官に対して「ミゾグチ」の件を頼まないかというと、この期に及んでもまだ「この事件はうちの担当ではない」などとわけのわからないことをいっているからだ。)
ところが、谷原署の職員曰く、神奈川南署の・鈴木氏は、「追跡しない」という。思わず耳を疑い、直接私が電話に出る。
「本当に追跡しなくていいんですか?」
「やらなくていいよ、車が戻ってくればいいでしょ」。
なんのための警察なのだ。怒りをとおりこして、あきれる。追跡しないというので、陸送の二人はそのまま帰ってしまった。
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